新たな道へ

社長の吉岡さんの倒産の声を聞く前に僕は、管工事１級の一次試験に合格した。2次試験はわりかし簡単で9割の人が通ると言われていた。僕は、難しいと言われていた一次試験を一発で合格したので2次試験は余裕で受かるだろうとなめていた。

けれども倒産の声を聞いて精神的に落ちていた。2次試験を受ける気にはなれなかった。もったいないと人はいうが、僕はとても落ち込んでいて、そんな気になれなかった。

なんせ、末っ子の奥さんにお金を渡せなくなるのが辛かった。僕のせいではないとは言え辛かった。だから家を出ることに決めた。

けれども末っ子の奥さんはお金はいいからと僕を引き止めてくれた。

とても嬉しかった。

けどとても心苦しかった。末っ子の家を出て、泣く泣く実家に帰ろうと思っていたがそれはできなかった。けど、どうしようもできなかった。これからはみんな笑って過ごしたいと思った。そしてこのままでは終われないと。